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フリーランスになるべきか迷っている会社員に伝えたい3つのこと

働き方改革という言葉が浸透し、仕事に対する価値観も日々変わってきています。そのなかでとくに注目されているのが、フリーランスという働き方。

最近は副業も広まっているので、副業で成功し、そこからフリーへの転身を考えている会社員もいるでしょう。

しかし、ある程度生活が安定している会社員から、不安定でなんの保証もないフリーランスになるのはなかなか勇気がいりますよね。

フリーランスのひとりとして、会社員からフリーランスになろうか迷っている人に、わたしなりの考えをお伝えしようと思います。

「フリーランスになる」という決断前に考えたいこと

まず、わたしがフリーランスになった流れはこんな感じです。

大学卒業後、ドイツに移住し現地の大学に入学、しかし挫折して中退を決め、アルバイトをはじめる。ブログを開設し、それが楽しかったので実績も経験もないまま「ライター」を名乗る。バセドウ病が発覚してアルバイト続行が難しくなったため、そのまま専業のフリーランスライターに……。

こんな経歴なものなので、「会社員からフリーランスになる」という経験をしていないことは、先にお伝えしておきます。

ただ、まわりからそういった相談を受けること、ツイッターなどで「迷っている」という書き込みをよく見かけることから、わたしなりの答えをお伝えしようと思った次第です。

まず、フリーランスになる「べきか」と言われれば、そんな「べき」はない、と答えます。やりたければやればいいし、やりたくなければやらなきゃいい。それだけ。

でもやっぱり大きな決断ですから、どうしようかと迷いますよね。ではいったいなにを基準に決めればいいかというと、この3つが大切なんじゃないかと思います。

いつでも会社員に戻れる環境が大切

わたしはフリーランスになってから、ずっと意識していることがあります。それは、「いつでも会社員になれるような実績をつくる」こと。

長い人生のなかで、職場を変えたくなるのと同じように、働き方を変えたくなることもあるでしょう。わたしはいまはフリーランスですが、今後会社員として働きたくなるかもしれません。

そのとき、「会社員として就職するのはキツイだろう」というような職歴にはなりたくないのです。

フリーランスへの転身が取り上げられる一方で、フリーランスから企業勤めに戻る人の話はあまり聞きません。フリーになるのは「前向きなチャレンジ」と受け取られがちなのに対し、後者は「フリーで失敗したから」と思われることすらあります。

でもわたしは、「いつでも会社員に戻れる」環境をつくるのは、フリーランスとして生活するうえで、なによりも大事だと思うのです。

とくに女性は、ライフステージやライフプランによって、働ける環境が大きく変わります。会社員としての職歴をもとに再就職する、フリーランスの実績を使って就活する……。そういう別の道があれば、フリーランスへのチャレンジもしやすくなります。

もしフリーランスという働き方が合わなければ、楽しくなければ、企業で勤めればいいのですから。

フリーランスとしてしっかりとした実績があれば、たとえばブロガーならメディア系、youtuberなら画像編集プロダクション、イラストレーターならデザイン事務所などに就職することも可能でしょう。

フリーランスになるなら、「いつでも会社員になれる実績をつくれるか否か」「会社員時代の職歴で再就職できるか」はとても大事です。

フリーランスになりたい理由を明確に

そしてもうひとつ。
「なんのためにフリーランスになるか」も大切です。

よく見かけるのが、「副業の収入が本業のそれを上回ったから本業へのモチベーションがなくなった」というやつです。

気持ちはよくわかりますが、だったらフリーにならずとも、副業の業種に転職すればいいだけです。もっと明確に、「だからフリーランスになりたい」という指針があったほうがいいんじゃないかと。

たとえば
「育児に時間を使いながら仕事もしたい」
「ノマドワーカーになりたい」
「さまざまな分野の仕事を同時並行で受けたい」
というような方針があれば、「じゃあ会社員よりフリーランスだな」と答えが出やすくなります。

会社員かフリーかで迷っている人の多くは、「フリーランスになる理由が明確にはないから」じゃないでしょうか。

わたしのように「病気療養しながら働きたい」なんて理由があれば、「じゃあフリーランスだな」とすぐに答えが出ます。

あなたはなぜ、フリーランスになりたいと思ったのでしょうか? その理由を改めて考えることで、決断しやすくなるかもしれません。

収入より固定支出をもとに経済的見通しを

さらにお伝えしたこと。ここ大事ですよ!

フリーになるときに、多くの人は「十分な収入を確保できるか」を考えますよね。よく、「独立するなら副業で50万円は稼いでおけ」なんて聞くので、それを真に受けている人も多いでしょう。

もちろん、十分な収入を得ることは大事です。ものすごく大事です。ただわたしは、「収入よりも支出を考慮すべき」だと思っています。

ある程度は収入の見通しを立てる必要があるとはいえ、フリーランスの収入見込みなんて当てになりません。急に収入が半分になることもあれば、いきなり倍になることもあります。そういうものなのです。

収入に対してノープランでいいわけではありませんが、見通しを立てやすい支出を基準にしたほうがいいと思います。

家賃や光熱費、インターネット代、スマホ代、交際費、車の維持費などは、フリーになっても必要な支出でしょう。保険料もそうです。

そういったものを把握して、「絶対に必要な収入」をはっきりさせて、それをクリアできるかを考える。

固定支出が高ければ、家賃が安い家に引っ越すとか、スマホを格安SIMにするとか、そういう方向で考えてみるのもいいでしょう。不安定な収入に期待するより、固定支出を減らした方が生活は安定します。

注目すべきは、今後どうなるかわからない「収入」ではなく、今後も変わらず必要な「支出」。

生活環境によって月々に必要な金額は大きく異なるので、「月収50万以下の独立は危険」といった言葉に騙されず、自分に必要な収入と期待収入のバランスを考えることをおすすめします。

フリーランスは住む場所も自由がききやすいので、フリーランスを支援している自治体、家賃が安いエリアに引っ越すというのもひとつの手ですよ。

自分が後悔しない道を選ぶために

会社員かフリーランスか。人によって家庭環境や職種がちがうので、一概に「どうすべき」とはいえません。

ただ、わたし個人としては、「やってみたいのであればやってみればいいのでは」と思います。一度きりの人生ですからね。

いつでも会社員に戻れる職歴があればチャレンジしやすくなりますし、なぜフリーランスになりたいかをハッキリさせていれば迷いもなくなるでしょう。固定支出が少なければ、生活もしやすくなります。

「会社員からフリーランスになるかどうか」で迷っているのなら、「最小限のリスクで挑戦を」とおすすめしたいです。