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「女の子らしい」という虚像とプリキュア

あなたは、生まれてこれまでに、このような言葉を言われたことはありませんか?

 

「女の子なんだから」
「女の子らしく」
「それでも女の子なの?」

 

小さな頃から刷り込みのように、「女の子らしさ」というものを教えこまれ、そして無意識のうちに女の子らしくいなければいけないものだ思っている女性も多いことでしょう。ただ、俗にいう「女の子らしさ」というのは、自分らしさを抑えることと非常に紙一重の部分でもあります。

 

飲み会で食事を取り分けたり、グラスが空いている人に「何飲みます?」と気を回せる女性、ドリンクがこぼれた時にさっとティッシュを差し出せる女性は「さすが」と褒められる。

結婚した後は、旦那さんより一歩うしろに下がり、家事ができる女性が「いい嫁」と言われる。たとえ共働きであろうと、世の中が女性に向ける期待は変わらない。そして子供が生まれたら、自分のことは後回しで全て子供のために行動している母親が「いい母」と言われる。

 

要は「女の子らしさ」というのは、対人関係の中で常に相手を優先させる姿勢の総称みたいなものなのです。

 

実は、小さな女の子の中で大人気のプリキュアがヒットした裏側には、これまでの「女の子らしく」という概念をひっくり返し、「女性も自由にしていい」というメッセージが込められているということをご存知でしょうか。
 

プリキュアのコンセプト「女の子だって暴れたい」

画像出典元:http://www.toei-anim.co.jp/tv/precure/info/

プリキュアというアニメが誕生するまでは、女の子が主役であり、そして女の子が主体で戦闘するというアニメはありませんでした。これまでの女の子向けのアニメは、魔法使いものが多くアクションも少ない。

セーラームーンが、女の子の戦闘もののアニメとして挙げられますが、ピンチな時は「タキシード仮面」によって助けられます。そのため、女の子主体ではなく、男性依存という部分が残ってしまっているんです。

 
そのような多くの人の潜在意識の中にある、「女性は男性に守ってもらうもの」「女性は戦うものではない」といった常識を覆したのが、プリキュアです。
 
プリキュアのアニメの中には「女の子らしく」や「男の子らしく」という表現は使われていません。これはプリキュア初代プロデューサーの考えです。
 
プリキュアの中では男の子のキャラクターも出てきますが、ピンチの時に男の子に助けてもらうということはなく、問題はすべて「女の子だけ」で解決していきます。

 

 

女性が自分で自立し自分の人生を歩んでいいんだということを、プリキュアがアニメを通して教えてくれています。
 

大人になってからプリキュアに心を動かされた

プリキュアは子供に人気なだけではなく、母親にも絶大な人気があります。
 
その理由は単に可愛いとか、話が面白いとか、そんな簡単な言葉で片付けられるでしょうか。
 
私自身、娘と一緒にプリキュアを見ていて、何度も泣きそうになったことがあります。
 
日曜の朝8時半からしているアニメで、だいの大人が泣きそうになっているなんて、本当に滑稽なのですが、それは大人になった今、プリキュアの裏に隠されたメッセージに気づいたからかもしれません。

親に言われるがまま育った幼少期

私の家庭は、非常に過保護でかつ教育熱心な家庭でした。そのため小さな頃から、いつも親の言うことを聞き、親の意向に沿った人生を歩んできました。

 

小さな頃からの習い事や塾は全て親が決め、進学する高校も親から「〇〇高校よりも偏差値が高い学校じゃないとダメ」と指定されました。

 
また高校3年生の部活の夏の大会は、「受験勉強があるでしょ」と親に言われて辞退。
 

そして看護師という職業も親が決めました。「親が決めた」といったら語弊があるかもしれませんが、看護師になるようにという話を小さな頃からされてきました。

 
当時は、そこに何の疑いもなく、私も「看護師」になるものだと思っていました。

 
それは憧れとか、夢とかそういったキラキラしたものではなく、みんなが当たり前のように小学校に進学していく感覚に似ていました。

 

結果的には、看護師の仕事はやりがいがあり、本当にたくさんの学びはあったので、すすんでよかった道だと思っていますが、ずっと自分の中に「自分で選択して進んだことがない」というモヤモヤした気持ちがコンプレックスとしてありました。

 

社会人になってからは、母親から「女の子は結婚して子育てするものだから、仕事はほどほどでいいんじゃない」という話をされ、挑戦することを抑えられていたように思います。

 
小さな頃は「勉強、勉強」といっていたのに、大人になったら「結婚して子育てしたらいい」という親の変わりようにもショックを受けました。
 

多分、お母さんは「いい子の親」でいたかったんだろうなと思います。
 

もちろん、何不自由なく、そして形はどうであれ親はいっぱいの愛情をかけて私を育ててくれたので、本当に感謝しています。

 

 

 

ただ自分の道を進んでいない自分に自信が持てなかったんです。

 

 

 

プリキュアを見たらすごく心が熱くなった

結婚し、子供が生まれ、私はとあるきっかけで、ブログを書き始めることになりました。

 
当時の私は、親に言われるがまま生きてきたので、「ブログを書こう」と思っても何を書いたらいいのかわかりませんでした。
 

お金を稼ぎたくて始めたブログだったので、単にブログを書くだけではなく、収益化できるブログを書かなくてはいけません。
 

この壁が当時の自分にとっては非常に高く、自分で考えて行動するって、こんなに難しいことなんだと知りました。言われたことしかできない自分が、本当に惨めでしたね。
 

自分の頭で考えながら、どんどん突き進んでいける人の発想力や行動力、そういった能力が自分には欠けていているんだと思っていました。

 
*
 

そんな中、当時3歳の娘と一緒にプリキュアを見ていたんです。

 
その時に、プリキュアが戦闘でボロボロになりながら何度も立ち上がり、「ほんの少しでも可能性が残っているのなら、私たちは絶対に諦めない!だってプリキュアだから!!」といって自分達よりも圧倒的に強い敵に向かっていく。
 

そのシーンを見て、自分の中でずっと抑えられていた感情というか、自分らしさというか、そういったものが溢れ出てきたような気持ちになりました。

 

 

「そうか、もっと自信持っていっていいんだな」と。

 

 

その日を境に私は変わった。。。とまではいきませんでしたが、プリキュアを見るたびに、元気と勇気をもらい、少しずつ自分で考えて行動ができるようになっていきました。

 

今は多くの女性から起業に関する相談なども受けますが、過去の私と同じように「自信がないです」という女性が多いように思います。

 

もしかすると、小さな頃からの「女の子らしく」という刷り込みによりできた潜在意識によって、自分の足で立つことに強い不安を覚えているのかもしれません。

 

対人関係の中で相手を優先することを「女性らしさ」というのであれば、そんなの気にしなくていい。
 

自分の足で自信を持って進んでいっていいのだと、この記事を読んでいるあなたにもお伝えしたいです。
 

そして自分の娘にも、わがままで自由で、そして豪快に生きていいのだということを伝えてあげたいなと思っています。