スペイン巡礼、どう歩く?かかる日数や費用、おすすめの巡礼ルートを経験者が教えます!

スペイン巡礼とは、スペインにあるカトリックの聖地「サンティアゴ・デ・コンポステーラ」に向けて、いくつもの聖地を巡りながら歩く旅のことです。

日本では「サンティアゴ巡礼」と呼ぶことが多いですが、現地では「カミーノ(スペイン語で道、という意味)」と呼ぶのがメジャーです。

カミーノはカトリック信者が信仰を示すために行っていたものですが、現在はカトリック信者以外にも、ハイキング目的の人や旅行として訪れる人、異文化コミュニケーション目的の人など様々な目的の人が行っています。

どうしてスペイン巡礼に行くことになったのか


私がスペイン巡礼に出ようと思ったのは大学4年生の時。
就職も決まり、単位もほとんど取り終え、暇を持て余していました。

春休みや夏休みには青春18きっぷを使い、国内のあちこちへ旅をしていたのですが、どれも最長でも1週間程度の旅。
社会に出る前に何か遠くに行きたい!
「旅したー!」って感じの経験がしたい!と思っていろいろと調べていたところ、とあるブログで『スペイン巡礼に行った』という記事を見つけました。

私は大学でスペイン語を第二言語として学んでいたのでスペインには親しみがあり、スペイン語圏への旅行はちょっと気になっていました。
しかも歩いて聖地をめぐる旅って・・・なんだかとても特別感がある!

そのブログでは、巡礼の中での様々な国の人との出会いも描かれていて、それも非常に魅力的に映りました。
「1人旅の集大成にぴったりかも。」そう感じたのを覚えています。

さらに、奇しくもその年はサンティアゴにとって特別な年とされる、『聖年』でした。
聖ヤコブ(サンティアゴ)の祝日である7月25日が日曜日に当たる年は『聖年』と呼ばれ、サンティアゴ大聖堂にある聖なる門(Pueruta Santa)が開かれ、この門を通ったものは、すべての罪が赦されると言うのです。

聖年は5年、6年、5年、11年の周期で巡ります。
私がスペイン巡礼を考えていたのが2010年、2010年を逃すと、次は2021年まで聖年が巡ってこない・・・
「今年行かなかったら次は11年後・・・!?行くっきゃない!」
そう思って、気が付いたら航空券を予約していました。今思うと、かなりの見切り発車でした。

スペイン巡礼にかかる日数と費用はこのくらい!


スペイン巡礼をしてみたい!と思う人にとって、やはり気になるのは日数と費用ですよね。

まず日数ですが、どれくらいかかるかは
・自分が何日間巡礼の旅にかけられるのか
・自分が1日に何キロ歩けるのか
によって変わります。

スペイン巡礼にはたくさんのルートが存在し、どのルートのどこから始めてどこで終わっても間違いではありません。実際、スペインが近いヨーロッパ圏の人は、区切り巡礼といって、歩けるところまで歩いて、休みが終わったら帰るというかなり自由な巡礼をしています。

ですが日本から行くとなると、なかなかそうもいかないですよね。
せっかくスペインまで巡礼に行くのなら、「歩いた!旅をした!」って満足感が欲しいという人が大半だと思います。

歩ける距離と、何日間巡礼の旅にかけられるのかでそれぞれ考えてみましょう。

1日何キロ歩けるのか?


1日に何キロ歩けるかは個人差が大きいですが、健康な若者なら1日20~30キロほど歩けるという人が大半です。ですが年配の人だと半分くらいになることもありますし、膝を痛めて途中で休むということもありえます。
ここでは平均よりやや少なめをとって、1日20キロ歩くという前提で話を進めます。

何日間、巡礼の旅にかけることができるか?

時間にかなり自由がある学生もいれば、働いている社会人の人もいますよね。とれる時間にはかなり差があります。

費用については後述しますが、実は滞在期間で費用はそう変わりません。
そのため、純粋に「何日間滞在できるのか」が期間を決める時のポイントになります。

■ 最短で証明書が欲しいという場合・・・1週間から10日

歩いたという証明書(この証明書を『コンポステーラ』といいます)さえもらえればいい!という人なら「1週間~10日」あれば問題ないでしょう。

コンポステーラをもらうには、サンティアゴまでの100キロを歩いたという証明が必要です。
100キロならば、健康な人ならたいてい4~5日ほどで歩けますが、空港からの移動に最低4日は見ておく必要があります。なぜならば出発地点もゴール地点も、空港からはかなり離れており、移動にかなり時間がかかることがあります。
私は帰るとき、サンティアゴからの電車が捕まらず、2日余分に滞在することになりました。そのため、出発地点までの移動と、ゴール地点からの移動にそれぞれ2日ほどは見ておくことをおすすめします。

■ ある程度しっかり休みが取れる場合・・・2週間

もう少ししっかり歩きたい、という人は「2週間」ほど見ておけば10日間ほどかけて歩くことができ、歩く醍醐味や現地交流の楽しみを味わうことができます。
私の印象では、年配のヨーロッパ人はこれくらいの日数で歩く人が多い印象でした。
ゴールから200~250キロくらいの距離にある街から巡礼をスタートさせるとちょうどいいです。
時間が余ればゴールやマドリッドでの観光にあててもいいですね。

■ せっかくなのでしっかり歩きたいという場合・・・40日

最も一般的で、ここからスタートする人が多いフランスの「サン・ジャン・ピエ・ド・ポー」から歩くというパターンです。
このパターンだと最低「40日」は必要です。私はこのパターンで、毎日20~30キロほど歩いて踏破しました。
時間はかかりますが、ゴールした時の達成感はなにものにも代えがたいです!
学生さんなどで時間がある方ならば、このパターンをおすすめします。

ただこれだけ長い期間だと、体調不良になったり、けがをしたり、膝を痛めたりとトラブルが起こる可能性もあるので、長めに期間は取っておくほうがよいでしょう。
私は40日間で往復航空券をとったところ、35日で踏破でき、サンティアゴで2泊して観光、マドリッドで2泊して美術館をまわって楽しみました。

どうしても厳しいのならば、途中はバスでスキップするという裏技もあります。
(けっこうバスで移動している人も多いです)

■ 費用

次に費用ですが、私の場合は40日間スペインに滞在して、かかったのはトータルで「約50万円」でした!(お土産代は除きます)
40日滞在したわりには、意外と安いと思う人が多いんじゃないでしょうか?

スペイン巡礼にかかる費用は、大きく分けて3つです。
1. 航空券
2. 宿泊費
3. 食費

私は航空券が一番高くかかり、30万円ほどしました。(8月出発で、ハイシーズンだったのも理由だと思います)
現在はLCCがあるので、晩秋や春先などの閑散期であれば往復10万円くらいでいけるでしょう。ただ冬はかなり寒さがきつく、バスも出ていないので非常に厳しい旅になるのでおすすめしません。

次に宿泊費ですが、実はスペイン巡礼で宿泊費はほとんど心配いらないんです。
アルベルゲというスペイン巡礼の宿を利用すれば、宿泊費は1泊3~10ユーロほどなのです!
ただし、設備はユースホステルのような感じで、簡素なベッドとシャワー、トイレ、キッチンくらいしかなく、備品はすべて自分で持ち込みです。
泊まり心地は期待できませんが、同じ目的を持つ仲間との出会いがあり、意外と悪くありません。

パンプローナの巨大アルベルゲ。それよりも「愛木」とは・・・?Love Tree・・・?(それも謎)

そして食事ですが、自炊するかどうかで大きく費用が左右されます。
食事は自炊か外食ですが、やはり自炊すれば安く上がり、外食すれば高くつきます。中には食事のでるアルベルゲもありますがごく一部です。

外食でも、『バル』という喫茶店兼バーのようなお店で出される、『ボカディージョ』というサンドイッチなどの軽食なら、1食5ユーロ程度とかなり安くすみます。
ですがある程度きちんとしたものが食べたいと思ったら、やはり1食10ユーロくらいはします。
10日程度なら外食を楽しむのもありでしょう!
私のように40日間がっつり1人旅をするのなら、ある程度節約する心構えも必要だとは思います。


ボカディージョ。ド○ールのミラノサンドみたい。スペインだけど。

私は食事に1日20ユーロまでと決めて過ごしていました。
朝は5時ごろ出発するので、買い置きしていたカロリーメイト的なものとフルーツなどをかじりながら出発し、8時ごろについた街のバルでボカディージョなどとコーヒーで朝ごはんをすることが大半でした。

スペインでは『メニュー』という定食スタイルの食事がたいていどこのレストランにもあり、平均10ユーロくらいで食べられたのでそれを1日1回は楽しむことが多かったです。
メニューはなかなかボリューミーなので、1日2食という日も少なくありませんでした。

コンポステーラをもらうための最小日数で行くとしたら、トータル「20万円」くらいで行けるんじゃないかなと思います。
ただ航空券の値段にかなり左右されるので、行くタイミングをどうするかが一番ポイントになるでしょう。

夏がハイシーズンで人気がありますし、実際気候も快適で歩きやすいのですが、この時期はやはり混みあいます。混む時期だとゴール近くのアルベルゲは非常に混みあい、泊まれない可能性も出てきます。
冬は安いのですが、雪が積もることも多くかなり厳しい旅になるのであまりおすすめはできません。

経験したから分かる、巡礼に持っていくべきもの

スペイン巡礼に何を持っていったらいいのか?
基本的には登山時に必要なもの、というイメージです。
私はこちらの記事を参考にしました
http://www.camino-de-santiago.jp/junreiro/junbi.html

登山が趣味というわけではなかったので、登山アイテム専門店などでそろえたらけっこうかかりましたが、結果的には大正解でした。普段20キロも歩くことなんてないですし、きちんとしたものを持っていくに越したことはありません!

基本的なアイテムは紹介されていますので、ここには書かれていないもので、私が重宝したアイテムを紹介します。

手ぬぐい


手ぬぐいは本当に重宝しました!
毎日すべての荷物を持ち歩くので、荷物は軽くすることが大事です。

アルベルゲにはタオルも置いていないのですべて持参しないといけません。
普通のタオルを持っていってもいいんですが、いわゆる普通のタオルは洗うとなかなか乾かないですし、重さもかさばり具合もいまいちです。
その点手ぬぐいがすばらしいのは軽いし洗ってもすぐに乾くところ!
からっと晴れた日なら2時間くらいで乾きますし、たためば小さくなります。本当に重宝しました。

また、スペイン巡礼をする日本人は少ないので、手ぬぐいをきっかけに話が始まるということもありました。ガーゼ生地とかじゃなく、昔ながらのさらし手ぬぐいがおすすめです。

ひも付き洗濯バサミ


100均とかで売っている、こんな形の洗濯ばさみです。

こんな形のものが20個くらい入って売っています。
これが洗濯物を干すときや物を保管しておくときに大活躍!
アルベルゲには洗濯ばさみやピンチ、ハンガーなんかもないので、すべて持参する必要があるのですが、ハンガーやピンチはかさばります。
でもこれならかさばりませんし、何より万能です。
物干しざおがなくても、ちょっとした手すりにつけることもできますし、リュックにつけて目印代わりにしたりもしました。

似たようなアイテムにS字フックがありますが、S字フックは落ちる、飛ばされるという心配があります。その点、輪っかを通すことで確実に固定できるという意味でも優れものです。

旅の指差し会話帳

画像出典元:amazon

スペイン語がわからなくても、英語で何とかなりますが、やはり現地の言葉や文化が少しでもわかっていると会話がはずみます。

スペイン巡礼の旅では農村地方を歩くことが多いので、英語が通じないことも多かったです。
英語すら不安という人は英語の基本的な本もいるかもしれませんが、2冊持っていくのが面倒ならスペイン語の指差し会話帳を持っていくほうがネタとしては面白いと思います。
指差し会話帳はスペインで考えられるシチュエーションを網羅してあるので、ガイドブックとしても使えます。

ただ持っていくだけでは結局使えないので、なるべく読み込んでおくほうが現地での会話が楽しめますよ。

チャックのついているトートバッグ


歩いているときは大きなリュックで移動しますが、街につき、アルベルゲに入ったら荷物は置いて移動します。

お金、パスポートなどの必需品は常にウエストポーチに入れて肌身離さず移動するようにしていましたが、水、タオル、指差し会話帳などをもって観光したり食事したりしたいときもあります。そんなときに、チャックのついているトートバッグがあると便利でした!
単なるトートバッグだと、街中ではスリにあう可能性があるので、チャック付きがベターです。

私は100均でペラペラのエコバッグみたいなものを持っていきましたが、軽くて使いやすかったですよ。荷物の持ち運びだけでなく、洗濯をするときやシャワーを浴びる時の衣類入れなどとしても重宝しました。

整腸剤や青汁、食物繊維など


スペインはパンやチーズ、生ハムなどがすごくおいしいのですが、サンドイッチばかりだと野菜がほとんどとれません。また巡礼中は、便意を催しても都合よく街にいるとは限らず、トイレに行けないこともしばしば。
そのためかなり便秘に悩まされました・・・

ちょっと重たくなりますが、常用している整腸剤などがあれば多少持っていくとどうしても不快な時に役立ったんじゃないかなと思います。
現地で買ってもいいんですが、やはり薬は不安があるので慣れたものだと安心です。

まずは巡礼の出発地点へ

巡礼の出発地点は、巡礼に何日かけるか、1日に何キロ歩けるかによって変わります。
どこを出発地点にしても、まず行くのはマドリッドの「バラハス空港」です。

現在は東京からマドリッドまでの直行便があるようですが、巡礼に行った2010年当時はなかったので、バンコク乗り継ぎで行きました。
乗り継ぎも含めて、かかった時間は15時間。
乗り継ぎでの待ち時間が長かったです。ざっと調べてみても、13時間はかかるようなので、それくらいは覚悟しておくべきでしょう。
ちなみに乗り継ぎ場所はバンコクだけでなく、バルセロナ、ヘルシンキなど航空会社によってさまざまなところがあります。

次に空港から出発地点への行き方です。
繰り返しになりますが、巡礼に何日かけるかによって出発地点は異なるので、当然行き方も異なります。

40日間コースは『サン・ジャン・ピエ・ド・ポー(St. Jean Pied de Port)』まで

まず40日間コースの『サン・ジャン・ピエ・ド・ポー』を見ていきましょう。
サン・ジャン・ピエ・ド・ポーまでの行き方は飛行機、バス、鉄道の3種類がありますが、私は主に鉄道で移動しました。

マドリッド・バラハス空港から地下鉄にのり、アトーチャ駅(Atocha)まで移動します。
アトーチャ駅についたら、スペイン国鉄のレンフェ(RENFE)に乗り換え、パンプローナ(Pamplona)という街まで移動します。

パンプローナからは季節運行のコンダ社(Conda S.A)又はアルサ社(ALSA)のバスに乗り、サン・ジャン・ピエ・ド・ポーまで行きます。

パンプローナの風景

パンプローナはスペイン巡礼の道中にある街でもあるので、途中からは巡礼者が多くなり、ついていけば到着した、ということもありえます(私はそんな感じでした)。
ちなみに私が出発したサン・ジャン・ピエ・ド・ポーはフランスにあるので、フランスから行くという方法もあります。

最短10日コースは『サリア(Sarria)』まで

最短でコンポステーラをもらいたいのならば、サンティアゴから111キロの地点にあるサリアという街から始めるのが最適です。
実際、サリアから急に巡礼者が増え、道も宿もぎゅうぎゅうになっていました。

まずマドリッド空港から地下鉄に乗り、マドリッド・チャマルティン駅(Chamartín)まで行きます。
チャマルティン駅についたらスペイン国鉄のレンフェに乗り換え、パレンシア駅(Palencia)、モンフォルテ駅(Monforte)で乗り継ぎ、サリアまで行きます。

2週間コースは『ポンフェラーダ(Ponferada)』まで

もう少しじっくり歩いてみたい、という人はゴールまで200キロほどの位置にあるポンフェラーダあたりがおすすめです。
ポンフェラーダまでの行き方も基本的にはサリアまでと一緒で、モンフォルテ駅より前にポンフェラーダ(Ponferada)があります。
ポンフェラーダはアルサ社(ALSA)のバスで行くこともできます。

巡礼で通るルート


スペイン巡礼のルートは実は1つじゃありません。
代表的なものだけで10種類ものルートが存在します。
ざっくり分けると、
・フランスが出発地のルート『フランス人の道』
・スペインが出発地のルート『北の道』
・ポルトガルが出発地のルート『ポルトガルの道』
の3つに分けられます。
その中でも代表的で人気のある3つのルートを紹介します。

『フランス人の道』

最も多くの巡礼者が歩いているのが『フランス人の道』です。
私が歩いたのもこのルートでした。
ちなみに今回紹介する街は、すべてフランス人の道にある街です。

フランスのサン・ジャン・ピエ・ド・ポーが出発地であり、総距離は780キロほどです。
別のルートを選んでも、最終的にはフランス人の道に合流するということも多いです。

サン・ジャン・ピエ・ド・ポーの風景

定番の道であるだけに、アルベルゲの数も多く、初心者向けといえます。
ただ夏場のハイシーズンは人が多くて泊まれないということもあります。その場合、さらに歩いて次の街に行くか、別のアルベルゲをあたることになります。

『北の道』

フランス人の道に次いで人気なのが『北の道』です。
海沿いの道を歩いていくのが特徴で、景色的にも歴史的にも見どころが多いため、観光目的の巡礼者にも人気があります。

出発地はスペインのイルンで、総距離は800キロほどです。
ただ全ルートを踏破しようとすると、前半にアップダウンの厳しい道が続いているので、かなり大変です。

ヨーロッパでも有数なリゾート街、サン・セバスティアン。ここを過ぎるとビルバオまではアップダウンする道を歩くんだとか・・・

厳しいエリアを避け、ゴールから約200キロのビラルバ(Vilalba)、ゴールから約120キロのリバデオ(Ribadeo)あたりから歩き始めるという巡礼者も多いです。

『ポルトガルの道』

近年巡礼者が増えているのが『ポルトガルの道』です。
出発地はポルトガルの首都であるリスボンで、総距離は600キロほどです。
ですがリスボンからオ・ポルトという街まではアルベルゲがかなり少ないため、大半の巡礼者はオ・ポルトという街以降から始めています。

ポルトの風景

トゥイという街はサンティアゴまで114キロと、コンポステーラがもらえる最短距離であるため、トゥイから歩いてコンポステーラを目指すという人も増えています。

巡礼で訪れたいスポット

巡礼路には数々の歴史的建造物があります。
日本人からすると、ただの街並みや農村のたたずまいだけでもまるで絵画を見ているようで非常に感動的な光景なのですが、特に印象に残っているのが以下の3つ。

リオハ州のぶどう畑とワイン

40日間コースの最初の一週間ほどで通るエリアがラ・リオハ州です。
ラ・リオハ州はワインの産地として知られています。

そのため、歩いているとブドウ畑がたくさん!
歩いているとブドウをもらうこともありました!
暑い中食べるブドウは最高においしかったですし、もちろんワインも最高でした。

40日間コースでしか通ることのないエリアなので紹介しても見ることができない人もいると思いますが、ワインを選ぶ機会があればぜひリオハ・ワインを選んでみてほしいと思います。

スペインではMENU(メニュー)と呼ばれる定食に、ワインが1本ついてくるので、お酒が好きな人ならワインをかなり楽しめますよ。

ブルゴス

サンティアゴから約500キロの位置にあるそれなりに大きな都市、ブルゴス。
大聖堂が非常に美しく、感動した覚えがあります。

またブルゴスは肉料理が有名で、モルシージャと呼ばれるブラッドソーセージや子羊のローストなどが楽しめます。

モルシージャ

子羊のロースト

お酒好きな人ならば、オルホ(Orujo)というクリーミーな味わいの蒸留酒が食後酒の定番なのでぜひ試してみてください。

おしゃれなカフェも多いので、カフェが好きな人にもおすすめです。

サン・ジャン・ピエ・ド・ポー

やはり一番印象的だったのがサン・ジャン・ピエ・ド・ポーの教会です。



やはり大きな街の教会は迫力があり圧倒されます。
クリスチャンでない私でも、敬虔で神聖な気持ちがわくほどです。


また、サン・ジャン・ピエ・ド・ポーはゴール地点なので、旅の道中出会った人たちと再会することもあります。
ゴール地点なので先を急ぐこともなく、ゆっくり食事をしたり、写真を撮ったりできるのも楽しいものです。


サン・ジャン・ピエ・ド・ポーは海に近くなるので、タコやムール貝をはじめとした、海の幸が堪能できるのも魅力です。

まとめ

スペイン巡礼はかなり時間も費用もかかりますし、準備もかなり大変です。
体力的にも決して楽ではないので、誰にでもおすすめできるとはいえません。
宿もきれいなところばかりではないですしね。

ですが1人旅の最大の醍醐味といえる、現地の人との交流が最大限楽しめる旅です。
スペイン巡礼に来ている日本人はかなり少ないので、それだけでもネタになり、意外なほど楽しく会話ができます。


また、ワイン、各地の名物料理など、マイナーなところのグルメが楽しめるのも大きな魅力。個人的にはパンとチーズ、生ハムがおいしいのに毎回感動していました。

異文化交流がしてみたいという人、メジャーどころでない観光がしてみたい人、達成感を得たい人、自分を見つめなおしたい人にはスペイン巡礼はおすすめの旅先です。

プロフィール

三島瑞穂
1人旅が好きな30代。大学の4年間は1人旅に明け暮れていた。
現在は4歳と0歳の育児に奮闘中のため1人旅には出られないが、世界の旅番組を見るのが楽しみ。