海外旅行のハードルが下がり、女性も気軽に海外旅行する時代。しかし海外では、思わぬトラブルに巻き込まれることも少なくありません。
女性同士、ひとり旅ならなおさら、自分の身を守るためにさまざまなことに注意が必要です。
今回は、現在ドイツ在住で多くのヨーロッパ諸国を旅行したわたしが、「海外旅行でとくに気をつけるべき!」だと思うことを5つ紹介します。
「平和ボケ」しがちな日本から海外へ行くということ
日本は治安がいい国のひとつで、たとえばスリに遭う可能性、理不尽な請求をされる可能性は、相対的に低いといえます。落し物が届く、というのはよく取り上げられる例ですよね。
そのため、いくら「海外では気をつけないと」と思っていても、そもそも気をつけることに慣れていない人が多いのが現実です。
できるかぎり現地でのトラブルを避けるために、最低でも、今回紹介する5つのことは意識していきましょう。
外国人はオープン?いえいえ、アブナイ人かもしれません
海外に行くと解放的な気持ちになって、なにか起こっても「海外だとこういうものなのかな」と納得しがちです。笑顔で肩を抱いてきたり、お酒をおごってくれたりする現地の人に対し、「異国の地で友だちができた!」なんて思う人も。
ただ、ちょっと考えてみてください。フレンドリーな国民性だったとしても、外国人の女性に気安くボディタッチをするのは本当に「ふつう」でしょうか? 見知らぬ外国人にお酒をおごる理由はなんでしょう?
たしかに、「ただのフレンドリーで優しい人」なのかもしれません。でも、アブナイ人である可能性もあります。いや、正直いうと、後者の確率のほうが高いでしょう。
花をくれるというので受け取ったらお金を要求された、いきなりミサンガを手首に結びつけられ高額で買わされた、というのは実際に友人が経験したトラブルです。道案内をしてもらったらこれまたお金を取られた、なんてことも。
海外旅行中に「かけがえのない出会い」を求めている人には申し訳ないのですが、基本的に、「海外では知らない人と必要以上に仲良くしない」ほうがいいです。
困ったときはせめて「自分から話しかける」。話しかけてくれる人は優しい人かもしれませんが、危ない人の可能性もまた、頭の片隅に置いておいてください。
夜22時、人がいないヨーロッパの大都市
「ヨーロッパは労働時間が短い! お店も早く閉まる!」なんて聞いたことはありませんか? それは裏を返せば、「夜は出歩いている人が少ない」という意味でもあります。
たとえば日が長い真夏のドイツであれば、夜22時でも多くの人がテラス席でビールを飲んでいます。でも秋や冬になると、20時ですらだれも歩いていない、なんてことも。
以前旅行したマルタ共和国の首都バレッタの大通りですら、9月末の21時にはまったく人がおらず、夕食後は後ろを振り返りながら急いでホテルに戻りました。
日本の大都市に慣れていると意外かもしれませんが、国によっては「大都市なら夜でも人通りが多い」とはかぎらないのです。
レストラン通り、バー通りなどは、夜でも賑わっています。ただ、駅やホテル周辺などは人通りが少ない可能性が高いので、「大通りだけを通ってホテルに戻れる場所」で食事をし、遅くとも21時には戻ることをおすすめします。
ぼったくり防止のためにも、レストランはホテル経由で予約を入れてもらうほうがいいでしょう(わたしはたいていそうします)。
iPhoneで写真を撮るなら自撮りを前提に
せっかくの海外、おしゃれな写真を撮ってインスタに……はいいのですが、スマホを他人にわたして写真を撮ってもらうのは、海外では「危ない」という認識が一般的です。
なぜなら、スマホを持ち逃げされるかもしれないから。
信じられないかもしれませんが、実際、歩きスマホをしていた友人がぶつかった拍子にスマホを奪われそうになり、警察を呼んだという話を聞きました。スマホは「盗まれる」のです。
最新型のiPhoneを渡して「写真を撮ってください」と見知らぬ人にお願いするのは、それだけでリスク。もちろん大半の人は快く撮影してスマホを返してくれますが……。
もしだれかに写真をお願いしたいのであれば、写真を撮っている人にこちらから「写真を撮りましょうか」と声をかけて相手を撮影し、そのあと「わたしのことも撮ってくれますか」とお願いすることをおすすめします。
貴重品は肌身離さず、手元から離れてた物は戻らない
自分の不注意が招いたことではあるのですが、わたしは一度、ドイツで鞄を丸ごと盗まれたことがあります。
デュッセルドルフのバーでのこと。カウンター席に座り、自分の左足側の床に鞄を置いて、右側にいる友人と話をしていました。そのあいだに、鞄をだれかに盗まれてしまったのです。
ビザやスマホ、財布にカギ、すべて入っていたので、血の気が引きました。パスポートを持っていなかったこと、ドイツ人の友人がいっしょにいたことが不幸中の幸いとはいえ、もう2度と経験したくないですね……。
カバンは膝の上、もしくは足と足の間に挟む。これは徹底してください。少しでも自分の手から離れれば、戻ってこないかもしれない。そう認識していたほうがいいです。
前述した「スマホを他人に預けない」も同じですね。手元から離れた瞬間、なにが起こるかわかりません。大事なものはとにかく、肌身離さず!
「イエス」の重みを理解して使うべし
語学が堪能な人であれば問題ないのですが、言葉の壁は、海外旅行において大きなリスクになりえます。
外国語でのコミュニケーションに慣れていないと、よくわからないまま笑って済まそうとしたり、「オーケー」や「イエス」と言ってしまいがち。でもこれ、かなり「危ない」のです。
空港やホテルでなにか聞かれた場合、わからなければ「Sorry, I don’t understand」と繰り返しましょう。いくら相手に嫌な顔されても、わからないまま同意してはいけません。
言質をとられると余計なトラブルになる可能性があるうえ、質問内容によっては別室に連れて行かれたり、損をするかもしれません。申し訳ない、恥ずかしい、などと思わず、わからなければわかるまで聞き続けましょう。
予防できる海外旅行トラブルは、予防するに越したことはない
海外といえど世界は広いので、比較的安全なところもあれば比較的危険なところもあります。いくら気をつけてもトラブルになることはあるし、気をつけようのないトラブルだってある。
とはいえ、せっかく旅行するなら、安全に楽しみたいですよね。予防できるトラブルは予防しておくに越したことはありません。
「日本ではありえない」とはいうのは、日本を出た瞬間通じなくなってしまいます。「警戒しすぎ」くらいがちょうどいいのです。
面倒臭がらず身を守る方法を調べ、しっかり準備することで、より安全で充実した海外旅行にすることができるでしょう。