「女の敵は女」だなんて、誰が言い出したんでしょう?
ご覧のスマホ・タブレット・パソコンから、「女性上司」と検索してみてください。さて、どんな検索結果になったでしょうか?
……
はい。
この記事を書いている現在は、2019年5月8日。先ほど検索した結果をざっとまとめますと、
・女性上司や年下上司はやりづらい
・男性部下が女性上司に感じる付き合いづらさ
・女性上司が女性にパワハラ!
みたいな記事がいっぱい並んでいます。
けど、「女性上司や年下上司とやりづらい」のは、そもそも女性や年下を下に見ているからですよね。せっかく努力して出世したのに、女性や年下を見下す価値観の持ち主から「やりづらい」「付き合いづらい」って思われたんじゃ、たまりません。
そこで今回、フォロワーの皆様から、「女性上司の最高にかっこよかったエピソード」を募集しました。女性が働いていくことに希望を持てるように。
さっそくご紹介していきたいと思います!
(以降、ご投稿にプライバシー保護のため多少編集を加えて掲載しています。小見出しと太字強調は編集によるものです)
●最強の登場シーン
新入社員研修初日、ルブタンの真っ赤なピンヒール履いて、高らかにドアから入ってきた。かっこよすぎて一生ついていきたいと思えた。
(おでさん/IT・情報通信)
いいですね〜。映画みたい。
なんか一見強そうだけど、「よ〜し!今日は新入社員研修初日だからルブタンの真っ赤なピンヒール履いてくぞ〜!」って玄関で気合い入れてる姿を想像すると、ちょっとかわいい。
●仕事早いし歌も上手いし
仕事の時は責任が部下にいかないようにしてくれたり、テキパキと仕事が早いし、膨大な量の仕事を適材適所に割り振りなおかつ間に合わなそうなところはヘルプしてくれる頼りになるかっこいい上司です。
仕事以外ではいつもニコニコしていて明るくて、ちょっとドジっ子な可愛い上司なんですが、忘年会の二次会でカラオケをした時、歌い始めたらすごく上手で鳥肌が立つほどかっこよかったです。
(necoさん/製造)
まさに「責任者」という言葉が似合うかっこいい仕事ぶりなのに、ドジっ子、そして歌がうまい。二段構えでギャップ萌えですね。
●派遣切りの危機、その時立ち上がったのは……
直接の上司でなく、先輩女性のかっこいい話なのですが、かっこいいので誰かに話したくて投稿します。主旨が違ったらすみません。
女性社員が極端に少なく、業界内でも「あそこの会社はちょっとひどい」と言われるほどセクハラパワハラが蔓延している会社にいました。事務員のほとんどは派遣の若い女性、しかも「うちは美人を採用して男性社員のモチベーションを上げています」という人事です。
ただでさえ女性にとって非常に働きにくい会社でしたが、3年以上務めた派遣社員を正社員にするようにと行政から指導が入った際に、会社が取った行動は「派遣の女性を全員クビにする」という非情なものでした。これには派遣女性も一部の正社員も否を唱えたのですが、会社は「だって女性はどうせ3年くらいで辞めるでしょ。今クビにしてもそう変わりないのになんで?美人揃いなんだから結婚でもしなよ」というふざけた対応でした。
しかし、1人の女性が連帯を呼びかけ、さらには個人で弁護士に相談し、「この度の派遣切りは明らかな法令違反行為である」と会社に通告してくれました。なんと全員正社員昇格です。
彼女は憧れの、とてもかっこいい女性です。あの人を思い出すと、自分も少し勇気が出せる気がします。心の師匠の1人です。
(しろうさぎさん)
立ち上がる勇気。ほんと、心の師匠ですね……。
やばいことしちゃうやばい人って、シンプルにやばい場合もありますけど、実際、法制度がわかってなかったり価値観がアップデートされてなかったりする、要はモノを知らないだけの場合もあるんですよね。そこにすかさず法律のプロ・弁護士を連れてくる機転も、見習いたい。
●背負わせないし、休ませてくれる
作業の手がものすごく早く、当時の私の3倍以上のスピードで仕事をこなす人でした。覚えの悪い私に厳しくも丁寧に仕事を教えてくださった恩人です。
仕事はとても忙しかったですが、隙を見つけては「代休たまってるよ!明日休みなさい」「今日はもう終わりにして帰りな」と気遣ってくださる優しさのお陰で、なんとか頑張れたと思います。
一番印象に残っているのが、仕事を任されたのに、ミスを見逃してしまった時のことです。幸い上司に発見され大事には至りませんでしたが、しょげて謝り倒す私に言った言葉。
「責任を取るのは私と社長の仕事なんだから、あなたはあなたの仕事をしっかりやりなさい!」
その後に「ただし責任は取るけどその後ものすごく怒る(笑)」とユーモアも忘れない、最高に素敵な上司でした。
会社もなくなり連絡先も紛失してしまい、連絡も取れませんが、いつか感謝の気持ちを伝えられたらいいなと思っています。
(なおみさん/その他)
ど、読者様の中にこの上司様か社長様はいらっしゃいませんか〜!?
失敗した後、優しくされることが逆につらいことってありませんか? きっとこのご上司も、そんな経験があってユーモアを忘れない人になったのかなと思いました。
●受け売りじゃない、自分の経験を話してくれた
私は電子広告のデザインをしています。
入社したばかりの頃は教育係として上司である主任が面倒を見てくれました。
身長は高めで本人はそれが嫌らしいのですが、私から見たらそんなスタイリッシュな見た目かつ、仕事も早くこなし、褒め上手、気配りもできる、けれど基本はふわふわとした喋り方のとても可愛らしい素敵な上司です。
ある日私は仕事でミスをしてしまいました。
私は昔から心配性すぎる癖があって、主任にあわあわとミスを報告すると苦笑いしながら「落ち着いて笑」と声をかけてくれました。
その後とある経緯から主任とランチを食べに行って、色々とお話をしている時に、私が心配性すぎて仕事も普段そわそわしながらやっている事、この前のミスもだいぶパニックになるぐらい緊張したことを伝えました。
そうしたら主任がこう伝えてくれました。
「私は昔、英語が全く喋れないまま、海外に飛び出してしまったことがあった。その時は毎日が不安で不安でいつも泣いていた。その時の事を考えれば、今の会社で起こすミスなんてちっぽけなもの。職場でミスを起こして死ぬことなんてないんだから。」
と私に伝えてくれました。
きっと主任は海外に飛び出した時に、とても辛い思いをしたのだろうと考えました。助けて欲しい時に助けてくれる人が居ない、それこそ死に繋がるような場合もあるのかもしれない。生まれ育った日本の会社なんて狭い世界で、狭い空間から1人で飛び出したときの不安感、それを考えただけで今の私には到底出来ないと感じました。
そして、そのような経験・チャレンジをした主任のこの言葉が私の胸にグッと刻まれました。
時折とても心配な気持ちになる時は
この主任の言葉を思い出して
頑張るようにしています。
相変わらず仕事をバリバリとこなす主任。
教育が終わった今でも、頼ってばっかの私ですが、いつかあんな心強く、その強さを他の人に共有が出来るようになりたいと思いながら、一生懸命働いています。
(ろなさん/IT・情報通信)
何度でも思い出して、元気になれる。そんな魔法の言葉を受け取ったんですね。
ご自分の気持ちを素直に伝えたからこそ、ご上司も経験を共有してくれたのかもしれませんね。
以上、6つのエピソードをお送りしました。
ご投稿くださったみなさん、ありがとうございました!
ちなみに私が経験した「女性上司のかっこよかった話」は、目上の男性に「女なのにデキるね〜って言われるように俺が教えてやる」って言われた件を相談したら、「は? 女である前に人間なんですけど、って思うよね」って一蹴してくれた件です。
もう10年くらい経っているんですが、いまだに声も表情も思い出せるし、同様の案件が発生した場合に自分もこう返すようになりました。最強〜。
あなたの思う、「女性上司のかっこよかった話」はなんですか? よければ是非、この記事と一緒にSNS投稿してくださいね!
「女性上司」の検索結果を、「やりづらい」じゃなく「こうなりたい」に。女性がそもそも働くことを許されなかった時代を経て、今があります。あなたの働く後ろ姿が、いつか、次の世代の女性の希望になっていきますように。