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旅行&プチスキルアップが静かなブーム

旅行に行くついでに、ちょっとしたスキルアップを考えてみませんか。

お休みの予定は決まりましたか。休暇旅行ってガイドブック見て有名な観光地をひたすら回って、写真撮って、温泉入って、おいしいもの食べて……。

楽しけれどいつもワンパターン。あまりに同じことを繰り返しすぎて、なんだか帰ってくると余計疲れてしまい、帰宅後にまた憂鬱な気分に逆戻り。ああまた日常が始まっちゃった……とブルーな気持ちになってしまうーー。そんな旅行を繰り返しているのなら、そろそろ新しい体験旅行を検討する時期かもしれません。

日常を非日常に変える旅

今、静かなブームになっているのが、自分磨きと旅行を組み合わせた「プチスキルアップ」できる旅です。

日本には多くの外国人観光客がきています。そんな外国人の間で着付け体験や、座禅体験、農業体験などが人気になっていると、どこかで聞いたことがあるかもしれません。

実は、世界的に旅行のトレンドが「見る旅」から「体験する旅」に移り変わっています。私はマレーシアでインバウンドの仕事をしていますが、

「もう買い物や観光地巡りは飽きた」
「日本でしかできない体験をしたい」
「新しい知識を学びたい」

という外国人が増えていて、インバウンドの世界では「モノ消費からコト消費へ」と言われはじめました。

一方、内向き志向になったと言われる日本人ですが、こうした傾向は静かに来ています。

日本人には勉強熱心な方が多く、1週間や2週間の旅行でちょっとだけ、プログラミングや英語を習う「プチスキルアップ」の旅が人気。これは、休暇と自分磨きを組み合わせるちょっと欲張りな計画です。

なかでも人気なのはやはり英会話です。

プログラミングにしろ、ゴルフにしろ、何かを習うのにもまずは共通言語が必要ですから、まずは言葉からというのは自然なことかもしれません。英語はさらに、日本国内での転職や収入に直結する最も便利なツールの一つです。英語を公用語化する企業が登場するなど、ますます重要性を高めています。

私の住むマレーシアにも、夏休みなどの休暇を利用して親子留学に参加する方がきていますが、子供だけではなく「親も一緒に学びたい」という需要があります。

実は私自身も同じで、休暇ごとにフィリピンに行っては、少しずつ英語の弱点を補強しているわけです。ライティングだけを学んだり、ビジネス英語の作法だけを学んだりと、その度にテーマを決めて学んでいます。

行くたびにやはり休暇を利用してスキルアップのために来ている数多くのビジネスパーソンを見かけます。中には、もう十回以上も来ている、という人すらいるのです。

英語はもちろん日本でも学べるのですが、話す機会が少なく、別に英語がなくても生きていけてしまいます。その点で海外留学は、学校の外ですぐに英語を使える環境があり、思うように話せない、伝わらないという悔しさからモチベーションが上がるのです。

それがその後の学習意欲に繋がり、日常に張りが出るのがミソ。新しい学習法を学んだり、次のステップアップのための教材を教えてもらったりもできるので、その後の「つまらない日常」が「学習のある非日常」に変わっていくわけです。

英語&ホテルのプチ留学体験

一週間程度の旅行なら、やはり狙い目は、格安航空会社が就航していて、値段も安い東南アジア。

特にフィリピンは日本人・韓国人向けの学校がたくさんあり、選択肢が多いのが魅力です。また、人件費が欧米に比べて安いため、マンツーマンで濃い授業が受けられるのが何よりも魅力です。

フィリピン英語留学というと、勉強漬けのちょっとハードなイメージがあるかもしれません。治安も少し心配だし、寮のご飯や施設に馴染めるかどうかちょっと心配、という方もいるでしょう。

しかし、最近、高級ホテルでヴィーガン料理を食べながら、英会話教師を呼べる1週間からのプランが登場したのをご存知ですか。プチ留学のように、ホテルステイを楽しみながら、少しだけ学習する、という人のためのプランです。

このプランを実施しているのは、フィリピンのセブ島のルマー・ハイランズ・ホテル。若い女性をターゲットにして、「健康」をテーマにした日系のホテルです。ここにはヴィーガン用のランチや、毎日のご褒美スパのサービスを組み合わせた女性向けの英会話滞在プランがあります。

実際に2019年、私も参加してみました。

まずは到着時、空港まで専用車でお迎えに来てくれます。ホテルはセブの治安の比較的安定した高台にあります。見晴らしの良いレストランには屋上テラスがあり、遠くの海まで眺めることができました。

ホテルには日本人スタッフが常駐しているので、日本語でコミュニケーションしながら、何を補強したいか、相談しながら学習プランを決めてもらいます。レッスンは全てマンツーマン方式ですから、自分の弱点に絞って学習することもできるのです。

ホテルに英会話の先生を呼んでくれるので、午前中はホテル内で海をみながら勉強。

勉強のための部屋はスパの隣の個室か、ホテルにある会議室、レストランなど好きなところを選べます。先生は日本の小学校でも教えていたという経験のあるフィリピン人の女性でした。ベテランの先生のマンツーマン指導は面白くて、あっという間に授業時間が終わります。

お昼を食べたら、午後はホテルの車で外出しても良いし、ホテルに留まってスパでマッサージを受けて、ホテルに戻ってレストランで夕飯を食べてーーとゆるく過ごせるので、まさに休暇と学習が一石二鳥で楽しめます。

この旅の良いところは「一人でもあまり浮かない」ってコト。

授業中はもちろん先生とも喋りますし、学習仲間もできるかもしれません。学校の先生たちはローカルなので、地元で美味しいお店はどこですか? と聞いてもOKです。

一方で、学校のようにずっと拘束されず、宿題も少ないので、自由な時間を一人で静かに楽しむこともできました。

そんなの一週間で効果が出るの?

と不安に思う方もいるでしょうが、学習は多分一生続くもの。
短期のプチ留学の場合、その後の学習のモチベーションアップのため、と割り切ると、その後の日常生活が大きく変わり、スキルアップにも繋がります。

その後、本格的に缶詰になって勉強したければ、ハードな学校を選べば良いのです。

国内でもプチ仕事体験やプチ留学を

海外だけではなく、国内でもこうした体験旅行ができるようになってきました。

別に遠くに行かなくても、休みを利用して少しだけ、自分の生活に新しい視点を取り入れることができます。例えば、農家の1日体験や、流しそうめん体験まで、少しだけ非日常を取り入れるプランが出てきています。

例えば、「TABICA」(https://tabica.jp/ )というサービスは、農業体験や芋掘りなど、「日常を旅先に変える」がコンセプトのサイトです。思い切って知らない街に行って、その街でしかできない「体験」をすることで、普通の旅とは一風違った経験ができるはず。

また「仕事旅行」(https://www.shigoto-ryokou.com/)もユニークです。こちらは少し趣向が違い、休暇中に別の仕事をしてみよう、というのがコンセプト。

「日本語教師になる旅」とか「歯科技工士になる旅」など、新しい仕事に出会う旅。今の仕事に不満があるのなら、挑戦してみると面白いでしょう。

この手の旅が良いのは、「ちょっと違う自分」になって帰ってこれることじゃないでしょうか。

リフレッシュにもなり、地元の人とも交流でき、ちょっとだけスキルも上がる。
帰宅後にも視界が少し広がり、「よし、明日から頑張ろう」と思えるかもしれません。