・仕事上のコミュニケーションは良好だけど、仲良くしようと近づくとまるでバリアを張るように壁を感じたり、あえて一人でいる事を選んでいるような近寄りがたい人。
・人の噂話には興味がなく、気がつけば一緒に話していたつもりがその人だけ一人違う事をしている人。
・話しかければにこやかに返してくれるけれど、気がつくといつの間にかいなくなって一人でいるような人。
職場にこんな人はいませんか?もしくは、自分が当てはまったりしませんか?
そんな人は、もしかしたら『スキゾイド』かもしれません。
『スキゾイド』って?どんな特徴があるの?
今回はそんな『スキゾイド』のお話をさせていただきます。
スキゾイドって何?
スキゾイドは
社会的に孤立していて対人接触を好まず、感情の表出が乏しく、何事にも興味や関心がないように見えるという社会的特徴
引用:スキゾイドパーソナリティ障害-Wikipedia
と定義されています。
スキゾイド。聞きなれない言葉ですが、この言葉に出会った筆者は、自分がこれに当てはまることがとても多いと感じました。
医学的には以下の7つの項目のうち4つ以上当てはまるとスキゾイドの傾向があるといわれています。
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1. 家族の一員であることを含めて、親密な関係をもちたいと思わない、またはそれを楽しいと感じない。
2. ほとんどいつも孤立した行動を選択する。
3. 他人と性体験をもつことに対する興味が、もしあったとしても、少ししかない。
4. 喜びを感じられるような活動が、もしあったとしても、少ししかない。
5. 第一度親族以外には、親しい友人または信頼できる友人がいない。
6. 他人の賞賛や批判に対して無関心に見える。
7. 情動的冷淡さ、離脱、または平板な感情状態を示す。
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引用:スキゾイドパーソナリティ障害-Wikipedia
筆者は、この中の6つに当てはまります。
一人でいる事が一番落ち着きますし、人からは内心では物凄くムカムカイライラしていても「怒ってるように全然見えない」とよく言われます。
その怒りの感情もすぐ手放して、また無関心になっているように思います。
みなさんはどうでしょうか。
スキゾイドの特徴
職場のお昼休みに、ぽつんと一人で昼食のお弁当を食べている人がいたとします。
その人を見て「一緒に食べてくれる人がいなくて寂しい思いをしている可哀相な人だ。自分が友達になってあげよう!」と感じたあなたは、ちょっと足を止めて考えてみましょう。
もちろん、そういった寂しいという気持ちを抱いている人も中にはいます。
しかしそれはもしかしたら大きな間違いかもしれませんよ。
その人は一人が何より好きで、「あえて」一人でいるのかもしれません。
こんな人もいるんだという特徴を知れば適度な人間関係を築くことができますし、もし自分がスキゾイドかもしれないという人は、自分はそういう性質なのだと知ることで、一人でいる自分に”負い目”を感じる必要がないんだと楽になることでしょう。
他人から見たスキゾイドの人の特徴
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・淡々としている
・大人しい
・輪から外れて一人でいる
・話しかければ話しやすい「いい人」
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あー、いるいるこういう人。と思うかもしれません。
日本人の約4%がスキゾイド気質を持つといわれています。
人当たりがよくとてもいい人だから、友達になろうと近づくとそっけなくなるのも特徴です。まるで見えないバリアを張られたように感じることでしょう。
それに悲しくなるかもしれませんが、あなたが嫌いなわけではありませんので悲しまないで下さい。
スキゾイドの人の考えていること
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・他人に関わる事は避けたい
・そもそも他人に興味がない
・一人(ぼっち)が好き
・一人でいたい。友達はいらない、わずらわしい
・他人とコミュニケーションをとる時は「いい人」の仮面を被る
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スキゾイド気質の人は、一人でいることを「寂しい」と感じていません。
適度に距離を取って接してくれる人は好きですし、コミュニケーションをとることは苦ではないです。ただ、コミュニケーションをとる時はその人に合わせた「仮面」を被っています。
「何を考えているかよく分からない人」といったイメージの人が多いかもしれません。
スキゾイドの人との付き合い方
スキゾイドパーソナリティー障害は、『統合失調質人格障害』とも呼ばれます。
名前だけ聞くとそんな人がいた場合、大丈夫なの?と心配になるかもしれません。
しかし、名前は似ていますが、『統合失調症』とはまったくの別のモノです。
まず簡単に言うと、スキゾイドの人は人に何かしらの害は及ぼすことはほぼありません。
何と言っても他人に興味がないのですから、人が何をしていようと自分には関係ないと思っています。人に何かしようとは思いませんし、人に対する「憎悪」はもちろん、言ってしまえば「好意」も持ちません。
人は人、自分は自分が極端な人だと思ってください。
一人でいること、自分だけの時間・空間が、その人にとっては幸福なのです。
「適度な距離感(パーソナルスペース)」というのは、一人一人にとって違うものですよね。スキゾイドだとか関係なく、人とコミュニケーションを取る上で「この人はここまで踏み込んでも大丈夫」というのはお互いはかり合う思いやりが一番大事なのは言うまでもありません。
なので、一人でいたいという人は強引にコミュニケーションをとろうとはせず、そっと一人でいさせてあげていいのだと思います。
自分がスキゾイドの可能性がある場合
では、自分がもしかしたら当てはまるかもしれない、と不安になった方はどうでしょう。
この病気を知ったからと言って不安になることはありません。
一人が好きで、ぼっちでいることを好んで一人でいる。
それが自分にとっては当たり前で安心する環境なのですから。
スキゾイドの人の特徴として、「人と接する時は仮面を被る」というのが特徴だとお話しました。
自分の本心を見せないために仮面を被ります。自分としては意識しなくても自衛のために自然と行っているでしょう。
もし仮面を被って人と接した後に、「疲れたな、無理したな」と思ったら自分をどうぞ褒めてあげてください。
完全に「一人」で生きていくことは不可能ですから、他者とのコミュニケーションは避けられません。頑張った自分を褒めて、労ってあげてください。
スキゾイドの人に適した職業
スキゾイドは一人が好き、一人でいたい人です。
ですが一人では生きていけません。お金を稼がないと生きていくことができないので、当然社会に出て働く必要があります。
では、どういった仕事が向いているのでしょうか。
在宅のフリーランスがスキゾイドには最大級の理想ですが、なかなかそうもいきませんね。
選ぶものとしては「人と話す機会が少ない仕事」を選ぶのがいいでしょう。
1日中パソコンと向き合うプログラマーや、黙々と仕事をする工場などもいいでしょう。
そして、意外に思われるかも知れませんが、「接客業」もスキゾイドには向いています。
人と接したくないのに接客?とお思いでしょう。
アパレルや家電量販店・家財や住宅など、種類が豊富で人によってニーズが多様な商品・サービスですと臨機応変なコミュニケーションが必要ですが、例えば携帯ショップのスタッフや飲食店などの接客は、ある程度決まった内容をやり取りする時間が多い仕事です。
スキゾイドの性質をもった人は、コミュニケーションをとることを好まないにせよ、仮面を被ること自体苦ではないので、仮面を被った状態で決まった内容をやり取りすることで一定の業務が遂行できる接客は向いています。
逆に事務職は向いていません。
事務こそ定型作業のような印象を受けますが、事務職は決まった小数の人間と毎日毎日接する機会が多く、そうなると仕事上の話ばかりでなく、どうしても仕事から逸れた話も出てきます。
決まった小数の人間との深い人間関係が出来てくるので、プライベートの事や「自分の内面」を探られるような雑談がスキゾイドには、苦痛な職種のひとつともといえるでしょう。
まとめ
いかがでしたか。
スキゾイドの人の特徴や付き合い方についてお話させていただきました。
「障害」と名前がついているからちょっと構えてしまいますが、特徴を聞いてみると結構身近にもいるんじゃないでしょうか。
スキゾイドの人も気にやむことは何もありません。
周りの人から「一人で可哀相」とか思われているんじゃないかと不安になるかもしれませんが、かといって無理に仮面を被って輪に入っても自分が疲弊するだけです。
生きていくうえで必要な仮面は被って、必要がない時は人の事は気にせず自由に生きてぼっちを楽しむのも生き方のひとつです。
自分自身の人生をよりよく生きる生き方を見つけていきましょう。
ライタープロフィール
高屋ちは
フリーの女性向けWebライター。兼業。
40代まで結婚せず、スキゾイドという言葉に出会い納得し現在は一人を満喫中。