憧れのヨーロッパ移住して分かったメリット・デメリットとは

仕事にはとてもやりがいを感じているけど、いつかは海外で働いてみたい。
小さな頃からの夢であったヨーロッパ移住を、できるだけ早く叶えてみたい。

そんな思いで日々、お仕事に取り組んでいる働く女性もいらっしゃるのではないでしょうか。
私自身、大学卒業後は東京のIT企業に就職。忙しい毎日を過ごす、一人のビジネスパーソンでした。
しかし、学生時代にスペインに留学して以来ずっと憧れていたヨーロッパ移住を諦めきれず、ある日突然一念発起。幸い、いろいろな人の助けを借りられたこともあり、今のところ衣食住と働き場所に恵まれ、元気に過ごしています。

そこで本稿では、そんな私がヨーロッパに移住の際に感じたいろいろな出来事や驚き、ドイツのデュッセルドルフでの生活を通じて見えてきたヨーロッパ生活のメリット・デメリット。
そんなことを、ヨーロッパに移住してみたいと考えているビジネスパーソンの皆様にシェアしたいと思います。

ショッピング

最初は、ヨーロッパのショッピング事情からです。

空港に降り立ち、まず最初にびっくりしたのはドイツのスーパーマーケット。
薬局をはじめとするほとんどのお店は日曜日・祝日はお休みになってしまうということでした。

もちろん24時間開いているコンビニ等はなく、ほとんどが22時には閉まってしまいます。
ドイツに到着した最初の週末、日曜にスーパーが休みだという事を知らず水すら家になかったため、唯一デュッセルドルフで開いているデュッセルドルフ国際空港内にあるスーパーまで灼熱の中電車を乗り継ぎ、約40分程かけて買い物に行った苦い記憶があります。

土曜日に買い物に行けない時には、金曜に週末分の食料を買う等、計画的に買い物に行かないと大変なことになるので注意が必要です。
唯一の救いとして、日曜でも開いているレストランはあるので、どうしても食料に困ったらレストランで食事をする事は出来ます。また同じヨーロッパ内でも、閉店時間や閉店日は国により大きく異なります。

例えば隣のオランダでは、日曜にスーパーは開いているものの、平日は木曜日を除き洋服屋は18時に閉店してしまいます。スペインやフランスの一部のスーパーでは日曜・祝日に加え平日も14時から15時まで閉店しているところが多くあります。
私の住むデュッセルドルフはオランダとの国境に近い街なので、車をもっている人は日曜にオランダまで買い物に出掛けたりします。

24時間開いているコンビニがどこにでもあったり、平日の仕事後や週末にフラっとショッピングに行くことが出来る買い物天国・日本が少し恋しいな~なんて思ったりする事もあります。

旅行

次に、ドイツ移住目線からの旅行事情です。

ドイツはヨーロッパのど真ん中に位置するため、ヨーロッパへも北欧へも気軽に旅行に行くことが出来るのが大きな魅力です。
格安長距離バス、LCCが浸透しているため毎週気軽に違う街や国に行くことが出来るので旅行好きな人にはたまらない環境です。

私自身、ドイツに移住してすぐに旅行にハマり、数ヶ月でオランダ、ベルギー、フランス、スペイン、国内ではケルン、ブレーメン、コブレンツ等、合計4カ国17都市を訪れる機会に恵まれました。
ベルリンやロンドンのような大都市を除き、ヨーロッパの街は1つ1つが大きいわけではないので、日帰りで訪れることができる街もたくさんあります。
私の住むデュッセルドルフから日帰りでいける大きな街として人気なのは、
・アムステルダム
・ブリュッセル
・アントワープ等といったところでしょうか。
いずれもバスだと約3時間弱で行くことが出来る、ヨーロッパの歴史や文化を代表するとても魅力的な街です。
日本の国内旅行に例えると、東京と大阪を日帰りで行き来するような感覚に近いかと思います。

格安バスを利用すると時期や予約するタイミングにもよりますが、往復で約20ユーロ(約2,500円)程度でチケットを購入することが出来るお手軽さも魅力の一つ。
少しチケットの値段は上がりますが、タリスというドイツ、オランダ、ベルギー、フランスを結んでいる高速列車を使えばパリまで日帰り旅行を楽しむことも可能です。

ただ、先ほどご紹介した通り、ドイツでは基本的にすべてのお店が日曜・祝日は閉まっていますので、週末を使ってドイツ国内の日帰り旅行をする検討される場合には土曜日に行くことを強くおすすめします。

いずれにせよ、ヨーロッパ移住の最大の魅力のひとつは、国境を気軽に越えて様々な国に遊びに行ける、オフタイムの充実にあるといえるでしょう。

賃貸住宅事情

次に気になるのは、「移住の時にはどうやって家を見つけたら良いの?」という不安かもしれません。

ドイツに限定したお話になってしまいますが、家探しを始める際に最初に決断すべきなのは家具付きか家具なしのどちらにするのか、ということです。
日本では家具なしの賃貸がほとんどなので私はまずは家具なしの家の内覧に行きました。
3軒程内覧してすべて共通していたのが、家具なしの家にはキッチンが付いていないこと。「ここがキッチンだよ!」と言われた部屋にはシンクやガスコンロはなく、壁から水道の蛇口のようなものが1つ出ているだけでした。

不思議に思いドイツ人の同僚にきいてみたところ、ドイツ人は引っ越す際に家具のみならず、キッチンごとお引越しをするそうです。次の物件にキッチンのサイズが合わない場合はわざわざキッチンの大きさを調整するようです。
運よくキッチンがついている物件を見つけても、前の住人と値段交渉をして買い取る必要があります。
日本のように敷金・礼金はないものの家賃約2ヶ月分のデポジットを入居時に支払う必要があり、更に家具なし物件だと家具やキッチン購入等の初期投資コストが高くつくため私は結局家具付き物件に住む事にしました。

日本でイケアに行っても、誰がこんなキッチンまるごと購入するんだろうと不思議に思っていましたが、謎が解けました。
ドイツ人はキッチンを購入します。

またネットで物件探しをすると詐欺も多いので注意が必要です。
私の場合、1番最初に見つけた物件が詐欺物件でした。
セントラルエリアにあるおしゃれな家具付きマンションが家賃相場を少し下回る価格で掲載されていました。内覧希望の連絡をするとオーナーらしき人物から直接メールが届き、現在イギリスに住んでいるため内覧を調整するあたりにイギリスから不動産会社の者を現地に送るから、内覧前に1ヶ月分の家賃をデポジットとして入金して欲しいといわれました。

しかし、送られてきた銀行口座は不動産会社宛ではなく個人のものであったこと、メールに記載してあった不動産会社をネット検索しても存在しなかったことから物件を掲載していたサイトに問い合わせたところ、契約を交わす前に支払い義務が発生することは一切ないので絶対に振り込まないように指示されました。
幸い被害を免れることができましたが、日本での家探しとは違いこういった詐欺は珍しい事ではないそうです。<
移住の際の家探し、特に理外に好条件の物件には十分に注意して下さい。

公共交通機関

次に、ヨーロッパでの交通事情です。

ドイツ中心の目線になってしまいますが、ドイツでは金曜、土曜は24時間で地下鉄、トラム(路面電車)が走っているため週末は時間を気にせず飲みに出かけることが出来ます。
市内のトラムやバスは、日本程ではありませんが割と時間通りに運行しており便利です。

日本の定期券のようなものを60ユーロ(約7,700円)程度で購入すると、特定区間だけでなく、市内全域及び近隣の街まではトラム、電車、バスが乗り放題になるうえ平日の夜18時以降と休日は1人無料で同伴させることが出来ます。
無料でカバーされていない街へも、このカードを駅の窓口で提示することでエクステンションチケットというチケットが購入でき、正規チケットより安くチケットを購入することが出来ます。(カードの種類によって値段及びベネフィットは異なります。)

長距離電車や長距離バスに関しては遅延が当たり前です。むしろ時間通りに電車やバスが来たらラッキーだと思う程です。

これは旅行でドイツを訪れた際にもぜひ気をつけてほしいことですが、長距離電車で乗り換えがある場合、最初の電車が遅延すると乗り継ぎの電車を逃すことにもなりかねません。
そのため、少し値段があがっても乗り換えのない電車を選んだほうが間違いないでしょう。

私の経験ですが、乗り換え1回、3時間ほどで行けるはずの旅程でデュッセルドルフからブレーメンまでの旅行にでかけたことがあるのですが、最初に乗った電車が大幅に遅延。そのため乗り換えの電車に乗ることができず、結局3回も電車を乗り換え、片道約6時間もかけブレーメンに到着しました。
日本のように時間厳守で運行してそうなイメージのドイツですが、時間に余裕を持ってお出かけされると良いかもしれません。

良いところも悪いところもありますが、総じてドイツはとても住みやすい国!

オクトーバーフェスト、カーニバル、クリスマスマーケットとイベントも盛りだくさんの国、旅行でも移住でもきっと楽しむ事ができるでしょう。

オンもオフも充実して楽しみたい。そんな思いを持ってヨーロッパ移住を考えているビジネスパーソンであれば、真剣に検討をしてみてはいかがでしょうか。