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今からでも遅くない!世紀の大作『キングダム』を読み尽くそう!

漫画や映画で話題になっているキングダム。すでに54巻まで出ていて、
「今から1から読むのは大変そう」
「終わってから一気読みしよう」
と思っている人は少なくないかもしれません。

しかし、40巻が終わったあたりで原作者である原氏が、「ようやく前半が終わりました」とおっしゃっていました。80巻は超えるであろう世紀の超大作を、終わってから読むのは勿体無い気がします。歴史ものではありますが、テンポのいい作品で、一度スイッチが入れば一気に読めてしまうので、すぐに追いつきます!

ここでは、キングダムの魅力について語り尽くしたいと思います。

画像出典元:https://youngjump.jp/kingdom/comics/

キングダムの面白さ

主人公の信が舞台を盛り上げる

キングダムの面白さは、なんと言ってもスケールの大きさにあります。

キングダムは、秦王・嬴政(えいせい)後の秦の始皇帝が中華を統一する物語です。しかし主人公は王様である嬴政(以下、政)ではなく、王を支えた武将「信」です。

信は奴隷の身でありながらも、「天下の大将軍になる」と言う信念を持っていて、その目標の為ならどんな努力も惜しみません。さらに曲がった事が大嫌いで、例え目上の者であろうが、弱いものいじめをしていたら、食ってかかると言う清々しい性格です。その様に見ていて気持ちがいい主人公なの、で自然と力を入れて応援してしまいます。

信が徐々に強くなって地位を上げていく、と言うのも面白いポイントの一つです。最初は奴隷から始まりますが、戦場で武将を倒したり激戦を勝ち抜いたりして、自分自身が指揮を振るう部隊「飛信隊」と名付けられ、一つの隊で戦争の戦局を変えてしまうほどにまで成長し、秦国になくてはならない存在になっていきます。

戦の描写が面白い

また戦の観点から見ると、一騎当千級の恐ろしいほどの武力を誇る者がいる傍ら、「戦術」を重要視している局面も多々見受けられます。キングダムを見ていると、戦は「国対国」と言うよりも「大将対大将」で行っているのが分かります。

現場を任された大将がどういう采配を振るい、どこに戦力をつぎ込むのかと言うことを試行錯誤し、戦が繰り広げられます。数が多いから勝てる、強力な武将がいるから勝てると言う訳ではなく、総合力がものを言う所が面白いです。さらにそこに奇襲や奇策、力技などが加わるので見ごたえがあります。

飛信隊の絆

魅力あふれるチーム「飛信隊」

「キングダムで一番見て欲しいところは?」と聞かれたら、主人公の部隊である「飛信隊の絆」と答えます。キングダムには様々な隊がありますが、それぞれ隊長の特色が出る傾向にあります。

飛信隊はと言うと、隊長が奴隷出身という事もあり泥臭さ、タフさが随所に見られます。器用さ、華麗さがあまりなく、隊の結束力でピンチの数々を乗り越えるシーンは圧巻です。隊長が隊員を大事にしているからこそ、隊員も隊長を盛り立てついていく。そんな精神論を全面的に出してくれる隊の絆にぜひ注目してみてください。

飛信隊の良さは、序列が少ないところにあります。新人は下っ端なものの、上司と部下という関係ではなく先輩と後輩という間柄に近いです。たまに冗談を言ったり隊長のことを「あのバカ」と言ったりもしますが、心から尊敬していて一枚岩になりきっているので、見ていて清々しいのです。

隊の魅力的なキャラクター達

飛信隊には魅力的なキャラクターが沢山います。

力が強いもの、技が立つもの、頭がキレるもの、強くはないけどムードメーカー的存在のものなど様々です。大きな戦場から見たら一人の戦力は微々たるものかもしれませんが、隊の士気が高まったら戦局を大きく変える事ができる。そういう力を発揮してくれます。

特に副将の渕(えん)は、武力が秀でている訳でも頭がキレる訳でもありません。言ってみれば、最初から信と一緒にいたからそのポジションが与えられている様な存在です。しかしそう言った副将が、自分のできることを最大限に発揮し飛信隊を支えているので、見ていて応援したくなります。

自分なら飛信隊では「このキャラだ」、もしくは「このキャラが飛信隊の影のMVPだ」、そう思えるキャラクターに出会えることでしょう!

魅力あふれるライバルたち

他国のライバルたち

信の前には様々な強敵が出現します。ほとんどが信よりも格上の敵で、何度もピンチが目の前に現れるのです。命からがら逃げきったり、時に仲間と力を合わせて打ち破ったりし、徐々に強くなっていきます。経験値を上げレベルを上げていくという、ロールプレイングゲームさながらの成長を遂げていく信は必見です。

戦争が終わると「論功行賞」という物が行われるのですが、これは言わば成績発表のような物で、信の活躍がみんなに発表される場でもあります。この場面は「確かに、あんな強かった敵を倒したから信が報われてよかった」と思う瞬間だと思います。

逆を言うと敵国のライバルがいかに強大な存在だったかという事を改めて知らされることになります。

敵国の武将でも嫌な者、尊敬できる者、共感できる者など多数存在します。自分なら、この敵を仲間に引き入れたいと思う敵もいることでしょう。架空話にはなりますが、「自分が総大将になったら、こいつを将軍として迎えたい」と思う事で、より一層キングダムを楽しむことができると思いますよ!

自国のライバルたち

ライバルは何も敵国だけではありません。
キングダムでは信のライバルとして「王賁(おうほん)」、「蒙恬(もうてん)」が登場します。信はこの二人と切磋琢磨して、天下の大将軍へと駆け上がっていきます。

この三人はタイプが全く異なり、時にいがみ合い、時にライバル視むき出しにします。特に王賁に対しては、顔を合わせれば喧嘩をしてしまうのではないかと言う一触即発状態です。しかし、心の中ではお互いが相手の実力を認めていて、「秦をしょって立つのは自分たちだ」、「あいつならきっと敵将を倒してくれる」そう思っているのです。

この二人は完全に身内である「飛信隊」とは違い、昇進争いをする上で妨げとなる相手となるわけですが、絶妙な距離感で競い合っているので、信だけでなくこの二人も応援したくなってしまう事でしょう。
「自分にもこんなライバルがいたら」と思わせてくれる二人の存在が、キングダムを盛り立てています。

まとめ

上記に挙げたキングダムの魅力は、はっきり言って氷山の一角です。
そのくらい見どころがあり心惹かれていく作品だと言えます。

また、キングダムの魅力を語らせたら、10人が10人違う事を言うと思います。読み進めていくうちに、登場人物に共感することが出来たり、「この武将はもっと報われてほしい」と思ったりする事も出てくるでしょう。それほど物語にのめりこんでしまう作品です。

中国の戦争と言えば「三国志」という人もいるでしょう。実際、マンガ「三国志」は人気があり、こちらものめりこんでしまうほど面白いです。どちらが面白いというのは人ぞれぞれだと思いますが、キングダムの方が心情を深く捕らえているので、感情移入はしやすいと思います。こういった読み比べをしてみるのも面白いのではないでしょうか。

逆に、「三国志が好きだからキングダムは読みたくない!」と言う人も、少なからずいると思います。しかし、考え方や文化において似た点が随所に見られるので、より三国志を深く知ることができるかもしれません。だまされたと思って読んでみたら、「なかなかどうして…」と思う結果になることだと思います。

いずれにせよ、超大作である「キングダム」は見ないと損だと言い切れる作品なので、是非読んでみて下さい!