(前編のあらすじ)夫とのセックスレスに悩み、離婚を決意した由里子。通っていた美容室の若いイケメン美容師の逢瀬の約束を取り付けたが、風俗街としても知られる町での待ち合わせに恐れをなした彼に続けてドタキャンされ、念願のセカンドバージン喪失は果たせず。次に狙いをつけた相手は、高校時代と大学時代に付き合っていた元彼たちだった。前編はこちら→ベッドの百物語
マダム ユキ

コラム
ベッドの百物語ーロストセカンドバージン・後編ー

コラム
ベッドの百物語 ーロストセカンドバージン・前編ー
「彼との待ち合わせは、ラブホテル街に歩いて5分で行けるカフェにしたわ!」意気揚々といった様子で放たれた由里子の言葉に、私は鼻白んだ。不安を覚えたが、全身から喜びが発せられ、表情には自信が満ち溢れている彼女に、私は意見することなどできない。由里子が求めているのは常に賞賛であり、肯定意見しか受け付けないことは心得ていた。頷き、視線を揺らしながら曖昧に笑うしかない私の反応など、彼女には見えていな

コラム
バカの観察がやめられないたった一つの理由
「幸福な家庭はみな似通っているが、不幸な家庭は不幸の相もさまざまである」 とは、文豪レフ・トルストイの名作『アンナ・カレーニナ』(工藤清一郎訳)の冒頭の一文である。 不幸というものが、人間の愚かさゆえに招かれるものであるなら、人間のバカさ加…